お知らせ

2026.04.27(月)

2025年度SCAT表彰「会長賞」の受賞について

JAXA第一宇宙技術部門JDRSプロジェクトチームの山川史郎プロジェクトマネージャと、光衛星間通信システム(LUCAS)※1のプライムメーカである日本電気株式会社(NEC)の田中剛彦プロフェッショナルが、「光衛星間通信システム(LUCAS)の開発・運用」の功績が評価され、2025年度SCAT※2表彰「会長賞」を受賞しました。
今回の受賞は、世界最速かつ将来性に優れたLUCASの開発と先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)との光衛星間通信実証の成功※3、また、これにより幅広いミッションへの光通信技術の適用の道筋を切り開いたことへの業績が評価されたものです。
1月にアルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で開催された表彰式にて、JAXA山川史郎プロジェクトマネージャとNECの田中剛彦プロフェッショナルに表彰状が授与されました。

※1:光衛星間通信システム(LUCAS)について
https://www.jaxa.jp/press/2024/10/20241008-1_j.html
https://jpn.nec.com/ad/cosmos/technology/lucas/interview/02.html

※2:SCATについて
一般財団法人テレコム先端技術センターの略称で、情報通信技術(ICT)分野における先端的な技術に関する調査研究とその支援、研究開発(R&D)への助成、先端技術情報の提供、表彰などの事業を通じて、ICTの発展を支援する団体です。情報通信技術の研究開発により国民生活の安全・安心に寄与するなど多大な貢献のあった研究者に表彰を行っています。
(SCAT:Support Center for Advanced Telecommunications Technology Research, General Incorporated Foundation)
https://www.scat.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/12/award-press2025.pdf

※3:先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)との光衛星間通信実証の成功について
https://www.jaxa.jp/press/2024/10/20241008-1_j.html

左から、山川史郎 プロジェクトマネージャ、SCAT吉田進 会長
左から、研究者表彰選考委員会 安田靖彦 委員長、山川史郎 プロジェクトマネージャ、
日本電気(株) 田中剛彦 プロフェッショナル、SCAT 吉田進 会長

受賞者コメント:JDRSプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 山川 史郎

このたびは、情報通信分野の栄誉ある賞をNECの田中剛彦様とともに賜り大変光栄に存じます。地球観測衛星の観測データは、災害状況の把握 地球環境の変化や海洋状況把握など、幅広い分野で活用されており、それらが国民生活の安全・安心に寄与しています。これには近年の衛星搭載センサの高性能化(空間的・時間的な高分解能化)の貢献によるところが顕著ですが、他方、このトレンドは取得できるデータ、そして地球観測衛星から地上に伝送すべきデータの大幅な増大につながり、近い将来には地球観測衛星システムのボトルネックになるのではないか、との懸念がありました。
光データ中継衛星システムは、静止軌道に配置したデータ中継衛星を用いて、地球観測衛星と地上との間の通信を「中継」することにより、通信可能時間を大幅に拡大することができます。また、迅速性が要求される災害状況把握にもよりタイムリーに対応が可能になります。加えて、地球観測衛星とデータ中継衛星を結ぶ通信回線を電波から光(レーザ光線)とすることで通信速度の大幅な向上が可能になりました。
この、光データ中継衛星の中核技術である光宇宙通信は、40,000km以上隔てて相互に高速で移動する宇宙機の間で、600mぐらいしか広がらないレーザ光線を照射し続けるという極めて高度な技術が必要とされます。光宇宙通信はLEO通信コンステレーションを初めとする次世代の宇宙通信のキー技術として世界中が官民ともに獲得にしのぎを削っている状況にあります。今回、早期に本技術を実現、軌道上実証を通して実用レベルで確立したことも大きな成果であったと自負しております。

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