お知らせ
2026.04.27(月)
【地球を共に感じよう】人工衛星から火山の動きを監視
~だいちによる火山モニタリング~
こちらは2025年8月~2026年1月にかけて油井宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しているときに撮影した桜島と阿蘇山の写真になります。雲がないため、宇宙からも山の様子がくっきり見えています。


油井宇宙飛行士がISSから撮影した写真が、まるで人工衛星から見る衛星データのようにも見えますね。では、実際の人工衛星からはどう見えるのでしょうか?
JAXAでは地球の地表面の変化を捉えることを専門とした「だいち2号」と「だいち4号」というレーダ衛星を運用しています。レーダ衛星は写真のような光学衛星とは異なり、見た目は白黒です。なので、これだけをみると「この画像はなんだろう?」と思う人も多いかと思いますが、実はこの画像に詰まったデータから活火山の微細な動きもわかるのです!

「だいち2号」と「だいち4号」がどのように火山の動きを監視しているかについて、サテらいふで紹介している動画を一緒に振り返っていきます。
★動画本編はこちら
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ニュースでよく聞く「噴火警戒レベル」にも衛星データが活用されているって本当?
2024年10月2日に気象庁が岩手山の噴火警戒レベルをレベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引上げたニュースを覚えていますでしょうか?
「噴火警戒レベル」とは、気象庁が火山活動の状況に応じて5段階に区分して発表している指標になります。まさに、油井宇宙飛行士が撮影した桜島や阿蘇山は活火山の代表例でもあり、周辺に住んでいる方にとっては日々の火山活動の状況を知ることは防災の観点からとても大切です。
(参考)噴火警戒レベルの説明(気象庁HP)

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火山活動のモニタリングは国土地理院さんとJAXAで連携
火山モニタリングはJAXAだけでは実施することはできません。「だいち2号」と「だいち4号」で宇宙から火山のモニタリングを行うことで得られたデータの解析は国土地理院さんと連携して進めています。

JAXAの筑波宇宙センターと国土地理院さんはとても近い(車でX分)ですので、実際に訪問して担当者の方にいろいろ質問してみました!
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地殻変動って何?
地殻変動とは、地球の表面を校正する地殻に加わる力により、地殻が変形する現象です。イメージしやすい例として、地震により地表に亀裂ができたり、隆起することが挙げられます。

この地殻変動は、地震だけでなく火山活動においても観測ができます。 火山の地下にたまっているマグマや水の量の増減や、それらの温度の変化により火山が膨らんだり縮んだりします。この膨らんだり縮んだりする活動が活発なのか、安定しているのかという火山の状態をモニタリングすることで大まかな状態を把握することができます。

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「だいち2号」と「だいち4号」がどのように地殻変動をモニタリングしているの?
国土地理院の「地図と測量の科学館」にある地球ひろばの地球を使って、衛星が火山活動をどのように観測しているか見てみましょう。
地球の上にいる重光さん(JAXAサテらいふメンバー)が火山だとしましょう。
左図が、変化前の火山(しゃがんでいる重光さん)です。マグマの量が増えたことにより、少しずつ火山が膨張した結果、火山が大きくなりました(重光さんが立ち上がった)。


「だいち2号」が写真の緑線にある「だいち2号」の軌道に沿って、火山の上も通過します。
この時に注目するのが、【衛星と火山(重光さん)の距離】です。火山が膨張したことにより、衛星と火山(重光さん)の距離は【短く】なりました。

逆の場合はどうでしょうか?
左図が、変化前の火山(立っている重光さん)です。マグマの量が減ったことにより、少しずつ火山が縮んだ結果、火山が小さくなりました(重光さんがしゃがんだ)。


衛星と火山(重光さん)の距離はどのように変化したか見てみましょう。 変化前(左図)と比べると、火山が縮んだことにより、衛星と火山(重光さん)の距離は【長く】なりました。
このような変化は火山が噴火していないときでも起こるため、衛星から常に観測をして変化を捉えることが重要です。
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衛星で火山の地殻変動をモニタリングする良いところ
「だいち2号」や「だいち4号」で火山の活動や変化を捉えることが理解できたと思います。人工衛星が地殻変動のモニタリングにおいて重要な役割を果たしている理由は他にもあります。
まず1つ目は、安全に火山をモニタリングできる点です。 人工衛星は宇宙から火山活動を監視できるため、火山活動が活発な火山の近くに人が直接行かなくても、また人が立ち入ることができないような噴火口も観測することができます。

油井宇宙飛行士が宇宙から撮影した桜島や阿蘇山は、九州地方に位置しており、地元住民の方は自宅から噴煙などもみることが多いかと思います。しかし、日本には遠く離れた離島もあり、そのような遠くの火山の近く変動も、衛星であれば定期的かつ効率的に観測をすることができます。
例えば小笠原諸島にある西之島が2019年に噴火したときも、「だいち2号」で緊急観測を行いました。
衛星が火山活動を監視するメリット2つ目は、レーダ衛星により雲を透過することができる点です。 「だいち2号」と「だいち4号」はレーダを搭載しているため、火山が噴火した際に発生する噴煙や悪天候時の雲も透過することができるので、噴火が起きているときでも地表面の変化を観測することができます。

油井宇宙飛行士がISSから撮影した桜島や阿蘇山もとても綺麗で、火山の偉大さや自然の美しさを感じる1枚でしたが、そのカメラ違う目をもつ「だいち2号」と「だいち4号」がみる火山も我々の生活や自然を理解するのにとても重要な役割を果たしてくれています。
【関連リンク】
だいち2号:https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/alos-2/index.html
だいち4号:https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/project/alos-4/index.html
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